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働き損を防ぐ!在職老齢年金で年金を減らされない給与の上限額とは

リタイア

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定年を迎えた後も、これまでの経験を活かして元気に働き続けたいと考えている方は多いのではないでしょうか?

しかし、いざ働こうとすると「働きすぎると年金がもらえなくなる」という噂を耳にして、不安になりますよね。

ここでは働くと年金が減らされてしまう「在職老齢年金制度」について、専門用語を一切使わずにわかりやすく解説します。

この記事を読めば、自分が毎月いくらまでなら年金を減らされずに稼げるのか、そして損をしないためにはどのような働き方を選べばいいのかがハッキリと分かります。

せっかくの頑張りを無駄にしないために、正しい知識を身につけましょう。

働くシニアの罠?在職老齢年金制度の基本と仕組み

在職老齢年金制度を一言でいうと「会社からしっかり給与をもらっているシニア世代は、国からの年金を少し我慢してください」という国のルールです。

多くの人は、65歳になったら誰でも満額の年金がもらえると思っています。

しかし、この制度のせいで、定年後も現役時代と同じようにバリバリ稼いでいる人は、国から支給される年金の一部、あるいは全額がストップしてしまうことがあるんです。

働けば働くほど手取りが増えるはずなのに、年金が減らされてしまうため、多くのシニアが「まるで働くことへのペナルティのようだ」と不満に感じているのが現状となっています。

対象となるのは「厚生年金」に加入して働く人だけ

ここで大切なポイントがあります。この制度によって年金がカットされるのは、会社に雇われて「厚生年金」に加入しながら働く人に限られます。

具体的には、正社員やフルタイムに近い形で働く契約社員・嘱託社員が対象となっていて、会社を退職して完全にフリーランス(個人事業主)として働く場合や、アパート経営などの不動産収入がある場合は、どんなに大金を稼いでいても年金は1円も減らされません。

また、厚生年金に加入しない範囲の短い時間だけパートやアルバイトとして働く場合も、年金は全額受け取ることができます。

自分がどのような雇用形態で働くかによって、この制度の影響を受けるかどうかが決まります。

いくら稼いだら年金はいくら減るのか?

では、具体的に毎月いくら稼ぐと年金がカットされてしまうのでしょうか。

運命の分かれ道は「給与+年金」が月額50万円

その運命の分かれ道となる数字が「50万円」です。

計算方法はとてもシンプルで、あなたの「毎月の給与(ボーナスを12分割して足したもの)」と「毎月もらえるはずの厚生年金」の2つを合計し、この合計金額が50万円以下であれば、あなたの年金は一切減らされず、全額を受け取ることができます。

逆に、この2つを足した金額が50万円を1円でも超えてしまうと、超えた分の半額にあたる年金が支給停止になってしまいます。

サブスク感覚で考える!具体的なカット額のシミュレーション

イメージしやすいように、具体的な例を挙げてみましょう。

ここに、毎月の厚生年金が16万円もらえるはずの田中さんがいます。

田中さんが定年後もフルタイムで頑張り、毎月の給与(ボーナス込み)が38万円だったとします。

この場合、田中さんの「給与38万円」と「年金16万円」を足すと、合計は54万円になります。

これだと基準である50万円を4万円オーバーしていますね。

このオーバーした金額である4万円の、その半分となる2万円が、毎月の年金からカットされる金額となります。

つまり、田中さんが実際に国から受け取れる年金は、16万円から2万円を引いた「14万円」になってしまいます。

毎月定額で引かれてしまう、痛いサブスクリプションの契約のようなものです。

基準を超えても「働いた方がトータルの収入は増える」という事実

ここで多くの人が「年金が減らされるなら、働くのをセーブしよう」と考えがちですが、ここに大きな勘違いがあります。

先ほどの田中さんの例をもう一度見てみると、年金は2万円減らされて14万円になってしまいましたが、手元に入るお金は「給与38万円+年金14万円」で、合計52万円になります。

もし田中さんが「年金を減らされたくないから」と仕事をセーブして、給与を30万円に抑えたとします。

すると、給与30万円と年金16万円の合計が46万円となり、50万円以下なので年金は減らされません。

しかし、手元に入るトータルのお金は「給与30万円+年金16万円」で、合計46万円に減ってしまうのです。

つまり、年金がカットされたとしても、しっかり働いて高い給与をもらった方が、最終的な世帯の総収入は必ず多くなるように制度が作られています。

ですから「年金が減る=大損する」というのは、実は思い込みであり、働いても問題がないのです。

損をしないために!これからの働き方を決める判断基準

それでも「自分が現役時代に納めた年金なのだから、国に1円もカットされたくない」と思う方もいるかもしれませんね。

その場合は、2つの選択肢があります。

1つ目は、毎月の給与と年金の合計が50万円ピタリ、あるいはそれ以下に収まるように、会社にお願いして勤務時間や基本給を調整してもらう方法です。

2つ目は、先ほど紹介したように、厚生年金に加入しない条件(週の労働時間を短くするなど)でアルバイトとして働くか、業務委託という形でフリーランスとして働く方法です。

これなら、どれだけ稼いでも年金が減ることはありません。

会社と交渉する前に知っておきたい給与設定の裏ワザ

もし会社から「定年後も残ってほしいが、給与はいくらが希望か」と聞かれたら、まずは自分の年金見込額をマイナポータルなどで確認してください。

例えば、自分の厚生年金が月15万円だと分かれば、50万円から15万円を引いた「35万円」が、年金を一滴も漏らさずに受け取れる給与の限界ラインになります。

会社との面談の前にこの限界ラインを自分で計算しておき、「年金との兼ね合いで、月給は〇〇万円以内に抑えたいです」と具体的な数字を出して交渉するのが、スマートに損を回避する裏ワザです。

【他とは違う視点】「年金カット=悪」ではない?将来の年金を増やす隠れたメリット

多くの記事では、在職老齢年金は「損をする仕組み」として紹介されていますが、視点を変えると、実は大きなメリットも存在します。

定年後も厚生年金に加入して高い給与をもらいながら働くということは、その期間もあなたは「厚生年金保険料」を会社と一緒に納め続けていることになります。

こうして高齢になっても納め続けた保険料は、無駄にはなりませんし、毎年1回、それまでに納めた分が計算し直され、あなたが将来もらえる年金のベース(基本額)がどんどん右肩上がりに増えていくのです。

これを「在職定時改定」と呼びます。

今、目の前の年金が数万円カットされたとしても、それは「将来もっと多くの年金を一生涯もらうための積立をしている」と考えることもできますし、そう思えば、働くモチベーションもまた違ってくるのではないでしょうか。

仕組みを知れば定年後の働き方は怖くない

在職老齢年金制度は、一見すると働くシニアを苦しめる意地悪なルールに見えますが、その正体は「給与と年金の合計が50万円を超えたら、その半額がカットされる」という非常にシンプルな仕組みです。

大切なのは、年金がカットされるからといって働くのをやめてしまうのが、一番もったいないということで、どれだけ年金が減らされても、働いて得る給与のほうが大きいため、トータルの手取り収入は増えます。

さらに、働き続けることで将来もらえる年金の額を増やすことにも繋がります。

自分の年金額をしっかり把握し、いくらまで稼げば全額もらえるのか、あるいはカットされてもそれ以上稼ぐのかを天秤にかけて、あなたにとって一番納得のいく定年後のライフプランを組み立ててくださいね。