夕食の片付けが終わったあと。
テーブルの上には飲みかけのお茶。テレビはついているけれど、なんとなく誰も見ていない。
「そういえば、年金っていくらもらえるんだろうね」
そんな話になったとき、すぐ答えられる人は意外と少ないかもしれません。
定年まであと何年かを考える年齢になっても、年金の見込み額や退職金、iDeCoの残高を夫婦でちゃんと確認したことがない。
実はそんな家庭は珍しくありません。
老後のお金が不安なのではなく、知らないことが不安。
「なんとなく大丈夫」が一番見えにくい
老後のお金の話は、不思議なくらい後回しになりがち。
住宅ローンや子どもの教育費は目の前にあるのですが、年金はまだまだ先の話。
だから、「たぶん大丈夫」「なんとかなると思う」「相手が把握しているだろう」そんな状態のまま時間だけが過ぎていきます。
実際には、お金が足りないことよりも、状況を知らないことのほうが不安を大きくします。
夜、布団に入ったあと。
「退職金っていくらだっけ」
「年金だけで暮らせるのかな」
そんな考えが頭をよぎることがあります。
けれど、数字を確認してみると、思ったより安心できることもありますし、逆に準備すべきことが見えてくることもあります。
ですから、先延ばしすることなく、まずは現状を知ること。
それだけでも気持ちは少し変わってきます。
最初に確認するのは「ねんきんネット」
老後資金の話になると難しく感じますが、最初に見る場所はひとつで、PCやスマホで「ねんきんネット」を開くこと。
ログインすると、自分の年金記録や将来の年金見込み額を確認するおとができ、それは平日に限ら従、土曜日の朝でも、日曜日の夕方でも大丈夫。
コーヒーを飲みながら夫婦でスマホを開き、「へえ、こうなってるんだ」「思ったよりあるね」と、そんな会話をするだけでも十分です。
大切なのは正確な資産計画を作ることではなく、まずは数字を見ることです。
知らなかった数字が見えるだけで、老後が少し現実的になりますし、夫婦どちらかだけが把握している状態より、二人とも何となく理解している状態のほうが安心感があります。
退職金とiDeCoは「どこにあるか」を確認する
次に確認したいのが退職金とiDeCoで、ここで細かい計算は必要ありません。
確認するのは、
- 退職金の見込み額はどこを見ればわかるか
- iDeCoをやっているなら残高はいくらか
- 資料やログイン情報はどこにあるか
この3つだけ。
意外と多いのが「会社の資料はあるけど見ていない」という状態で、引き出しの奥にしまわれた封筒や、昔登録したままのIDとパスワードなど、存在は知っていても、中身は知らないことがあります。
通帳整理をするついででも構いません。
書類を一か所に集めるだけでも、老後のお金の見通しは少し良くなります。
お金そのものが増えるわけではありませんが、「どこに何があるかわからない不安」は確実に減ります。
相手任せにしていることに気づく時間
夫婦のお金の話でよくあるのが「自分は詳しくないから」という役割分担です。
夫が管理している家庭もあれば、妻が管理している家庭もあり、それ自体は悪いことではありませんが、どちらか一人しか把握していない状態は少し心配です。
- もし急な病気や入院があったら
- もし手続きが必要になったら
そんなときに、「どこを見ればいいかわからない」となることがあります。
だからこそ、5分だけでも一緒に確認する意味があります。
家計会議というほど大げさなものでもなく、夕食後にテーブルへスマホを置いて、「年金見てみる?」と言うだけでも十分です。
相手任せにしていたことに気づくだけで、夫婦の安心材料は少し増えます。
老後のお金は「確認した人」から現実になる
老後のお金の話は、つい不安ばかりに目が向きますが、多くの場合は難しい知識が足りないのではなく、単純に確認していないだけです。
- 年金の見込み額
- 退職金
- iDeCoの残高
この3つを夫婦で一緒に見るだけなら、思ったより時間はかかりません。
休日の午後でも、平日の夜でも構いません。
大事なのは、完璧な計画を立てることではなく、「知らないまま」を終わらせること。
老後のお金は、見ないほど不安になります。
そして、確認した瞬間から少しだけ現実になります。
まずは5分。
それくらいの気軽さで始めるのが、ちょうどいいのかもしれません。
老後のお金への不安は、お金そのものより「わからないこと」から生まれることがあります。
ねんきんネットを開く。退職金の資料を探す。iDeCoの残高を見る。
やることは意外とシンプル。
週末の夕食後、スマホを片手に夫婦で少しだけ話してみる。
その5分が、「なんとなく大丈夫」から「今の状況はわかった」へ変わるきっかけになるかもしれません。



