国民年金には、60歳を過ぎても保険料を納めて年金額を増やせる「任意加入制度」があります。
ただし、過去に未納だった月を後から埋めるというものではなく、あくまで「これから先」の加入期間を伸ばす仕組みとなっています。
2026年度の年金額と平均の差
2026年度の老齢基礎年金は、40年間(480カ月)の保険料を納めた場合、満額で月7万608円で、厚生労働省がまとめた令和6年度の平均受給額は月5万9310円。
両者には1万1298円の差があります。
この差は「全員に共通する不足額」というわけではなく、平均額には、納付期間が短い人や免除期間がある人も含まれているんです。
それでも、40年分の納付記録が足りない人でも、60歳以降に年金額を増やせる方法は残されています。
任意加入の主な対象者
次の条件をすべて満たす人が対象となっています。
- 日本国内に住む60歳以上65歳未満の人
- 保険料の納付月数が480月に達していない人
- 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない人
- 厚生年金や共済組合に加入中ではない人
「追試」ではなく「延長戦」
学校の追試と違うのは、若い頃に未納だった月へ戻って保険料を納め直せる制度ではない点で、申し込んだ月から新しい加入期間が始まるというもので、過去へさかのぼって加入することはできません。
つまり、20代の空白を埋めたいと思って窓口へ行っても、時計は逆回転しません。
60歳から先の月を一つずつ使いながら、過去に足りなかった総月数へ近づいていく仕組みといえます。
任意加入でいくら増える?
2026年度の場合、任意加入で保険料を1カ月分(1万7920円)納めると、年金の年額は1765円増え、何カ月加入できるか、元の記録がどうなっているかで実際の増額は変わってきます。
満額へ届く前に480月となれば、そこで任意加入は終了となります。
さらに、受給資格期間そのものが足りない人には、一定の条件で65歳以上70歳未満まで加入できる特例もあり、こちらは金額を増やすというより、老齢基礎年金を受け取るために必要な期間を満たす意味が大きい制度となっています。
年金記録は人生の出席簿
年金記録は、人生を月単位のマス目にした長い出席簿のように見えます。
未納、免除、厚生年金への加入など、一つひとつの月に別の印が付いています。
任意加入は、その出席簿を修正液で書き換える制度ではなく、最後のページを少し延長して、新しいマスを作る制度で、60歳から受ける追試は過去の答案を直せませんが、未来に残っている空欄なら、まだ一マスずつ埋めていくことができます。
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