8月から届く「公金受取口座」意向確認書 本当に何もしなくてよい人とは

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年金受給者の年金振込口座を、公金受取口座として自動登録する特例制度が動き出します。

封書が届いた多くの人は「同意なら何もしなくてよい」と説明されるが、送付される人とされない人、45日以内に不同意を返す人と返さない人で結果は大きく変わってきます。


年金を受け取っている65歳以上の人に向け、2026年8月から順次「公金受取口座登録の意向確認書」が簡易書留で送られます。

これは、年金の振込に使っている口座を、そのまま公金受取口座として登録するかどうかを確かめるための書類で、意向確認書を受け取った人が同意する場合、特別な手続きは不要とされています。

そうなると「届いた封書は基本的に放置でよい」という印象になりやすいのですが、誰に送られるのか、どうなったら自動的に同意扱いになるのかといった条件を見ていくと「何もしなくてよい人」と「動かないと意図しない登録になる人」が分かれていくことになります。

まず、意向確認書が届くのは、2026年4月15日時点で65歳以上、つまり1961年4月16日以前生まれで、公的年金を受給している人に限られます。

一見すると多くの年金受給者が対象となっているようですが、すでに公金受取口座を登録している人や、2026年4月分の年金が支払われなかった人、国外居住者、共済組合などからの年金のみを受け取っている人、そして2025年6月以降の年金請求時に公金受取口座への登録意思を示している人には送付されません。

つまり「年金受給者であれば封書が届く」というわけではなく、届かない人は、現時点では自動登録の対象外であり、この特例制度によって公金受取口座が新たに登録されることもありません、

制度の影響を受けるかどうかは、年齢や受給状況に加え、公金受取口座をすでに登録しているかどうかで分かれてきます。

次に、封書が届いた人の中でも分岐点があり、意向確認書には、登録を希望しない場合のための「公金受取口座登録不同意申出書」が同封されています。

同意する人は申出書を使わず、何もしなくていいのですが、登録を希望しない人は、この申出書を切り離し、同封の目隠しシールを貼って差出人欄を記入し、封書に記載された目安の期限までに返送する必要があります。

判断を左右するのは、この不同意申出書の扱いと期限であり、意向確認書を受け取ってから45日以内に不同意申出書が返送されなかった場合、登録に同意したものとみなされますし、45日を過ぎて何もしなければ、多くの人は「特例に賛成した」という形で、年金振込口座の情報とマイナンバーがデジタル庁に提供され、公金受取口座として自動的に登録されることになります。

しかし、45日経過による自動同意には例外もあり、不在などで簡易書留を受け取れなかった場合、その人は「意向確認ができなかった」という扱いになり、口座が公金受取口座として登録されることはありません。

封書が届いたかどうか?受け取ったうえで放置したのか?そもそも受け取れていないのか?によって、同じ年金受給者でも結果は異なります。

この構造を踏まえると「本当に何もしなくてよい人」は限定され、同意の意思がはっきりしており、公金受取口座として登録されることにも納得している人は、封書到着後に手続きを行う必要はありません。

一方、「登録したくないが、うっかり放置してしまうと自動的に同意扱いになる人」や、「そもそも封書が届いておらず、この特例の影響を受けない人」は、同じ「何もしていない」という行動でも、結果が正反対になるので注意が必要。

加えて、手続きの経路も限定されていて、意向確認書に関する問い合わせは、「意向確認書照会専用フリーダイヤル」(0120-74-0011、フリーダイヤルが使えない場合は050-3524-7372)に集約されており、市区町村の窓口や年金事務所の窓口では対応していません。

不同意申出書は再発行されないのですが、任意の様式で提出できる場合があり、その可否も専用ダイヤルが窓口となります。

公金受取口座として登録されると、160種類以上の給付金などを受け取る際に、申請書の口座記入や通帳コピーの添付が不要になり、審査手続きが簡素化されることになります。

給付を迅速に受け取るうえでの利点は、特例制度の狙いとして明確なのですが、登録するかどうかの決定は、意向確認書の送付対象かどうか、封書を実際に受け取ったかどうか、45日以内に不同意を返送するかどうかといった条件で切り分けられます。

年金振込口座の自動登録という表向きの簡便さの裏側には、自分がどの条件に当てはまるのかを踏まえて、あえて何もしないのか、あえて不同意を返送するのかを選び分ける仕組みが組み込まれています。